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- 出羽鶴酒造のご紹介
出羽鶴の歴史 History
当社は幕末の1865年、出羽の国南楢岡(現・秋田県大仙市)にて伊藤家12代目・伊藤重四郎により『ヤマト酒造店』として創業しました。明治維新による新しい時代の幕開けが目前に迫っていました。
伊藤家は17世紀に西国から東北へ渡り、秋田の地で地主となって農業を司りながら庄屋の役割を代々受けついで来ました。重四郎は地元で収穫される良質の米を使い、屋敷の一角に酒蔵を建てて日本酒の醸造を始めました。
12代目の跡を継いだ伊藤恭之助(13代目)は、1913年(大正2年)ヤマト酒造店を企業化しました。『鶴のように優美な出羽の国の酒になるように』との願いを込めて『出羽鶴』と命名し、出羽鶴酒造株式会社として新たなスタートを切りました。
恭之助は酒造業の他にも当時需要のあった馬の育成・改良にも力を入れ、優良な馬を生産していました。今でも当時の馬場、馬小屋が伊藤家敷地内に残っており、品評会で最優秀となった馬を国へ献上した記録が残っております。その他農地の開墾にも努力し、荒地を開拓して耕地改良を行い、米の増産にも貢献しました。
太平洋戦争中は米不足や国策の影響で酒造りをやむなく中断しましたが、戦後復活して徐々に石高も増え、昭和40年代には生産量が1万石を超えた時期もありました。その後平成に入ってからは純米酒を中心とした付加価値の高い日本酒造りを進めております。
出羽鶴酒造外観
蔵の環境 Environment
出羽鶴酒造は、秋田県南部の山間に位置します。四季のはっきりした気候で、夏~秋は温暖湿潤で原料となる酒米の栽培に適し、冬は寒冷で雪が多く酒造りに適しているという条件が揃っています。
蔵を取り巻く山々は出羽丘陵と呼ばれ、豊富で清冽な湧水の水源となっています。 また、蔵周辺の土壌は肥沃で、地元で栽培される作物は米を筆頭に食味が良く、農業地帯となっています。
蔵の地元の酒米栽培田
出羽鶴蔵の酒造りの特長 Characteristic
① 原料米
出羽鶴では酒米栽培から杜氏・蔵人が関わり、良質の原料米を育てるところから酒造りが始まっています。地元の良質な土壌を活かし、蔵人を中心に地元農家と酒米栽培会を設立し、栽培技術を磨きながら安定した良質な原料米の栽培に努めています。
② 仕込水
出羽鶴の仕込水は出羽丘陵の雪解け水を水源とする天然の地下水です。緑の豊富な山々から地下に浸み込み、幾重の地層を透過して湧き出る水は清冽でやわらかく、出羽鶴の特長であるなめらかでキメ細かい酒質をかたちづくります。
豊かな水を湛えて流れる雄物川
③ 酒造りの方針
出羽鶴蔵の酒造りの方針は『和醸良酒』です。これは代々受け継がれている言葉で、米作り・酒造りの仕事に厳しく向かい合う中で蔵人同士に生まれる結束を和とし、飲む人に幸せを運ぶような美味しい酒を造ることを意味しています。
やまとしずくYamatoshizuku
『やまとしずく』は1994年に秋田県内の有志酒販店様と当社で立ち上げたブランドです。『ヤマト』とは創業家である伊藤家の屋号で、創業当時『ヤマト酒造店』と名乗っていたことに由来します。
代々使用されていた酒造りの道具や、樽、仕事着の半纏などに屋号が刻印されています。 今から約150年前の創業者の精神と創業時代の酒造りを受け継ぎ、米も水も特定地域のものだけを使用し、地域性と個性のはっきりした美味しい酒を造ることがやまとしずくのコンセプトです。
屋号、家紋の入った角樽
ヤマト酒造店時代の半纏
明治期の酒造関係書類
また、『米作りからの酒造り』がテーマになっており、原料米は全て、創業家、蔵人、地元契約農家の田んぼで栽培された酒米を使用しております。毎年同じ人によって同じ地域で栽培された良質の酒米で仕込む事で酒質の安定と向上を目指しています。
商品ラインは通年商品で7種類、その他季節商品数種類、全て純米系のお酒です。販売店様はやまとしずく販売会にご入会いただき、商品は全て蔵元より酒販店様への直送としております。
やまとしずくの酒造りの特長 Characteristic
① 原料米
やまとしずくの原料米は主に秋田酒こまち、美山錦、美郷錦等の酒造好適米です。これらは蔵の地元・大仙市南外・神岡地域の田んぼに限定して栽培されています。この地域の土壌が稲作に非常に合っており、良質の酒米が育つ事がその理由です。創業時代は蔵に隣接した田んぼの米だけを使用していたので、地元栽培にこだわる事はやまとしずくを醸造する上で重要なコンセプトになっています。
原料米の田植え
美郷錦の栽培田
陸羽132号の栽培田
② 仕込水
やまとしずくの仕込水は蔵からさらに奥へ入った山間に水源がある湧水を使用しています。この水は、この地域が1500万年前にまだ海の底だったころの地層を通過して湧き出る特別な水で、ミネラル分が豊富で酒に多様であざやかな味わいを与えます。
古代、海底であった地層
やまとしずく仕込み水の水源
晴田Seiden
晴田(せいでん)は、出羽鶴酒造の新たなブランドとして誕生しました。コンセプトは『米の個性と造りの調和』。5つの酒米が持つ特徴を、出羽鶴酒造の蔵人が技術の粋を注ぎ込んで表現していきます。国内主産地から選りすぐった酒米がそれぞれに醸し出す香味の輝きをぜひお楽しみください。
全量サーマルタンクでの小規模仕込み
出荷まで専用低温貯蔵庫での瓶貯蔵
アルコール度16%前後の原酒仕上げと、
加水なしの瓶詰。全商品火入れは1度のみ
晴田の酒造りの特長 Characteristic
① 原料米
晴田の原料米は、山田錦(兵庫県産)、雄町(岡山県産)、秋田酒こまち(秋田県大仙市産)、雄山錦(富山県産)、五百万石(石川県産)の五種。毎年同じ主産地から良質の酒米を選び、仕入れています。造りに適したコンディションを調えるため、酒米は全て蔵の精米機で自家精米します。また、酒米の状態を確認するため、グレインスキャナーを用いて精米した酒米に割れや異常がないか分析しています。
契約栽培の圃場
② 仕込水
晴田の仕込水は出羽丘陵の雪解け水を水源とする天然地下水です。冬季に降り積もった雪は緑の豊富な山々から地下にゆっくりと浸み込み、幾重の地層を透過して地下水となります。そうして湧き出る水は秋田県内でも最もやわらかく清澄です。その水から醸し出される酒は、口あたり良くキメの細かい旨みをまとった味わいになります。
出羽鶴蔵の湧き出る仕込水
③ 晴田を醸す技
晴田を醸すスタッフは、20年以上の経験を積んだ杜氏、米作りのプロでもある頭、次期杜氏を目指す若手を中心にした全員地元出身の蔵人です。酒造りの方針は「和醸良酒」。代々受け継がれている言葉で、米作り・酒造りの仕事に厳しく向かい合う中で蔵人同士に生まれる結束を和とし、飲む人に幸せを運ぶ美味しい酒を造ることを意味しています。
蔵人一同
出羽鶴酒造株式会社 概要
会社名 | 出羽鶴酒造株式会社 |
設立 | 設立年:1913年(創業年1865年) |
製造数量 | 1900石 |
従業員数 | 11名 |
所在地 | 〒019-1901 秋田県大仙市南外字悪戸野81 |
TEL | 0187-74-2600 |